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大正時代
東海道本線×京浜東北
第四弾
ジュニアの誕生日おめでとうございました。
横浜→みなとみらい→元町・中華街→石川町→桜木町→横浜コースで
デートプランを構築させて頂きました。
あとは冬コミに受かってくれるかどうかです。受かればデート本出します。
出させて欲しい!
おつきあい下さったお二人ありがとう! 愛してる!
正味眠いのですが、帰り道の徒歩で降ってきたのでこれだけは!
大正の季節ものというキーワードと今日の天気のなせる業です。
お返事は明日に失礼します!
いつもお読み下さってありがとうございます。
お待たせしてしまい申し訳ありません。
*
東海道本線×京浜東北
第四弾
ジュニアの誕生日おめでとうございました。
横浜→みなとみらい→元町・中華街→石川町→桜木町→横浜コースで
デートプランを構築させて頂きました。
あとは冬コミに受かってくれるかどうかです。受かればデート本出します。
出させて欲しい!
おつきあい下さったお二人ありがとう! 愛してる!
正味眠いのですが、帰り道の徒歩で降ってきたのでこれだけは!
大正の季節ものというキーワードと今日の天気のなせる業です。
お返事は明日に失礼します!
いつもお読み下さってありがとうございます。
お待たせしてしまい申し訳ありません。
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「東海道さん!」
呼ばれて東海道はやむを得ず振り返った。振り返れば駆けてくるのは京浜だった。普通のこの国の人間にしては少しばかり赤みがかった髪色は、今日の雨に濡れてしとやかに流れればさほどその色に対する違和感を覚えなかった。
たぶんそのさしている傘が見せる色合いもあるのだろう。傘が綺麗な朱色で、その下にある京浜の茶がかった髪も目立たない。その代わりにその目の奥の空色は冴えて見えた。
それはきっと空が曇っているからだ。
「傘、お持ち下さい」
後ろから走ってきて肩で息をしながら彼は、立ち止まって振り返った東海道にずいっと持ってきた傘を差しだした。確かに少し肩の辺りはしっとりと濡れていた。降り出すかどうか微妙な雲を見て、持つだろうと東海道が傘を持たずに来たのは事実だが、そのとき京浜は出かける東海道をホームで見送ったはずだった。
ということは職員の出口で警備員辺りに東海道が傘を持っていたかどうか尋ねて、そのまま飛び出してきたのだろう。それが証拠に。
「一本しかないんじゃ、お前が帰るときに濡れるだろう」
東海道に傘を渡してしまえば、京浜は濡れてしまう。
秋雨だった。けして傘を差さなければ歩くことの出来ないような天気ではない。現に東海道もそのまま傘を差さずに出かけるつもりだったのだ。
京浜はそう言われて初めて、あ、と気がついたようだった。本当に彼は東海道に優しい。自分の傘を持ってきて、東海道の傘も持ってこないのでは、どうやって帰るつもりだったのだろうか。
戸惑ったように京浜はきょろりと辺りを見渡した。どこかに傘が売っていれば、という彼の思惑が見えたような気がした。けれどもそれほど都合の良い店はこの辺りにはなかった。そもそも東海道だって駅から近くの役所へと向かうだけだったのだ。
「でも」
「俺の行く先はすぐ先だから大丈夫だ」
「これからひどくなったらどうするんです」
京浜は食い下がった。
本当に京浜は東海道のこととなると何をしたって良いという態度を見せるから、東海道はその彼の純情を愛らしいものだと思っていた。彼の呼ばれた目的からしてそうせざるを得ないと言うことをよく承知していても、それでも東海道にしてみれば京浜は可愛い弟のようなものだった。
「京浜、予定は」
「今日は一日路線に詰めて、安全運行をします」
「会議などはないのか」
「ありません」
「ならば良いだろう。付き合え」
東海道はそう言って、傘を差し出す京浜の手ごと彼を引き寄せた。京浜は驚いたように空色の目を見開いた。そうだ、空色だ、と東海道は思った。雨を映してもなお、どこまでも晴れわたる、東海道だけの空がここにあるのだ。
「東海道さんのお仕事が」
「俺の仕事は短い立ち話だ、お前が隣にいても構わない」
そう言われるとおそらく京浜には言い返す手段が尽きたのだろう。黙って、おつきあいいたします、と東海道から傘を奪い返そうとした。彼が傘を持とうとするのは当然だった。
けれども東海道は、京浜の方が背が低い、という合理性を考えたことと、どこまでも東海道に従順な風の京浜に対してほんの少しのいたずら心が沸いた。だから、傘を返してやらなかった。
「東海道さん、傘」
「俺が持つ」
「え」
「その方が自然だろう」
京浜の手を振り切るように離す。それで初めて白い手にそれなりの温度や湿度があって、手放してから名残惜しいと思うのだと知った。迷って東海道はもう一度京浜の手に、傘の柄の少し上の辺りを握らせた。
「これでは傘のことを支え切れません」
「良いから」
食いついてくる京浜の空色の目が存外近くにあって驚いた。
初めて東海道のもとに来た頃はまだ,はっきり東海道の方が見下ろすことの出来た背丈は,今では随分と東海道の目線に近づいていた。これから役所において話す内容が実現すれば、もしかしたら目線が追い越されるのかもしれないと、東海道は思った。
それでも京浜はこうして雨が降れば東海道のところへ来てくれるのだろうか。
「東海道さん」
「なんだ」
「狭いです」
ひとつ傘のしたで京浜はうつむきがちに睫を瞬かせた。それで東海道も自分で仕向けた事ながらこの距離感の近さはつかみかねる、と思った。
「我慢しろ」
東海道が言うと、京浜は存外うれしそうに、はい、と頷いた。なぜ京浜がよろこぶのか東海道は分からなかったが、それで京浜はやはり東海道に心を許してくれていると思えばいいと思うと、ついつられて顔がほころんだ。
*
無論けーくんが傘を一本しか持ってきていないのはわざとです
呼ばれて東海道はやむを得ず振り返った。振り返れば駆けてくるのは京浜だった。普通のこの国の人間にしては少しばかり赤みがかった髪色は、今日の雨に濡れてしとやかに流れればさほどその色に対する違和感を覚えなかった。
たぶんそのさしている傘が見せる色合いもあるのだろう。傘が綺麗な朱色で、その下にある京浜の茶がかった髪も目立たない。その代わりにその目の奥の空色は冴えて見えた。
それはきっと空が曇っているからだ。
「傘、お持ち下さい」
後ろから走ってきて肩で息をしながら彼は、立ち止まって振り返った東海道にずいっと持ってきた傘を差しだした。確かに少し肩の辺りはしっとりと濡れていた。降り出すかどうか微妙な雲を見て、持つだろうと東海道が傘を持たずに来たのは事実だが、そのとき京浜は出かける東海道をホームで見送ったはずだった。
ということは職員の出口で警備員辺りに東海道が傘を持っていたかどうか尋ねて、そのまま飛び出してきたのだろう。それが証拠に。
「一本しかないんじゃ、お前が帰るときに濡れるだろう」
東海道に傘を渡してしまえば、京浜は濡れてしまう。
秋雨だった。けして傘を差さなければ歩くことの出来ないような天気ではない。現に東海道もそのまま傘を差さずに出かけるつもりだったのだ。
京浜はそう言われて初めて、あ、と気がついたようだった。本当に彼は東海道に優しい。自分の傘を持ってきて、東海道の傘も持ってこないのでは、どうやって帰るつもりだったのだろうか。
戸惑ったように京浜はきょろりと辺りを見渡した。どこかに傘が売っていれば、という彼の思惑が見えたような気がした。けれどもそれほど都合の良い店はこの辺りにはなかった。そもそも東海道だって駅から近くの役所へと向かうだけだったのだ。
「でも」
「俺の行く先はすぐ先だから大丈夫だ」
「これからひどくなったらどうするんです」
京浜は食い下がった。
本当に京浜は東海道のこととなると何をしたって良いという態度を見せるから、東海道はその彼の純情を愛らしいものだと思っていた。彼の呼ばれた目的からしてそうせざるを得ないと言うことをよく承知していても、それでも東海道にしてみれば京浜は可愛い弟のようなものだった。
「京浜、予定は」
「今日は一日路線に詰めて、安全運行をします」
「会議などはないのか」
「ありません」
「ならば良いだろう。付き合え」
東海道はそう言って、傘を差し出す京浜の手ごと彼を引き寄せた。京浜は驚いたように空色の目を見開いた。そうだ、空色だ、と東海道は思った。雨を映してもなお、どこまでも晴れわたる、東海道だけの空がここにあるのだ。
「東海道さんのお仕事が」
「俺の仕事は短い立ち話だ、お前が隣にいても構わない」
そう言われるとおそらく京浜には言い返す手段が尽きたのだろう。黙って、おつきあいいたします、と東海道から傘を奪い返そうとした。彼が傘を持とうとするのは当然だった。
けれども東海道は、京浜の方が背が低い、という合理性を考えたことと、どこまでも東海道に従順な風の京浜に対してほんの少しのいたずら心が沸いた。だから、傘を返してやらなかった。
「東海道さん、傘」
「俺が持つ」
「え」
「その方が自然だろう」
京浜の手を振り切るように離す。それで初めて白い手にそれなりの温度や湿度があって、手放してから名残惜しいと思うのだと知った。迷って東海道はもう一度京浜の手に、傘の柄の少し上の辺りを握らせた。
「これでは傘のことを支え切れません」
「良いから」
食いついてくる京浜の空色の目が存外近くにあって驚いた。
初めて東海道のもとに来た頃はまだ,はっきり東海道の方が見下ろすことの出来た背丈は,今では随分と東海道の目線に近づいていた。これから役所において話す内容が実現すれば、もしかしたら目線が追い越されるのかもしれないと、東海道は思った。
それでも京浜はこうして雨が降れば東海道のところへ来てくれるのだろうか。
「東海道さん」
「なんだ」
「狭いです」
ひとつ傘のしたで京浜はうつむきがちに睫を瞬かせた。それで東海道も自分で仕向けた事ながらこの距離感の近さはつかみかねる、と思った。
「我慢しろ」
東海道が言うと、京浜は存外うれしそうに、はい、と頷いた。なぜ京浜がよろこぶのか東海道は分からなかったが、それで京浜はやはり東海道に心を許してくれていると思えばいいと思うと、ついつられて顔がほころんだ。
*
無論けーくんが傘を一本しか持ってきていないのはわざとです
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