twitterSSSログその４

自家通販、29日夜で振込の確認できたものは発送済み、
その他のお問い合わせについてはすべてお返事済みです。
ご確認のほどよろしくお願いします。

PCは修理までいかずに済んだみたい！　よかった！
まだ発行物あがいてるので（……）もうちょっとしたら詳細出します。

最近ついったー本アカウントの調子が悪くてずっと落とせていなかった140字SSS、
専用のアカウントをつくって垂れ流しています。
すっごく楽しくて馬鹿みたいな勢いです。

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副流煙で死んじゃうみたいな恋がしたい、臨也が言った。自分が事態を招いた自覚のある新羅は、彼（女）の健康診断を無料で施す。その意図を問うように沈黙で促す。女ならそんな恋でも許されるかな、なんて言うから、きっと君自身が許さないよ、と答える。君が言うかなぁ、臨也は唇の端で力なく笑った。
（静甘その３、元凶には恨み言だけ）


まるい肩を見て自分に寒気がする、彼と張り合えない。目の前の体に倒れ込んで、ああ、余計に甘えてどうしよう。いつまでだ、わかんない。見目を誤魔化すように被るウィッグを彼の指が梳かす、ありえない心地よさ。抵抗するようにシャツ越しの胸板に爪を立てると、可愛くねぇなぁ、身に覚えもないのに。
（静甘その２）

優しくするのも大事にするのもごめんだと思うのに、不安げに見上げてくる目がいつもより丸い。俺、女になっちゃった、ありえないことを言う臨也の後ろに藪医者の笑顔が見え隠れ。どうしたいんだよ、殴るに殴れずいつもより低い頭上にめりこむ拳を引く、不安げに胸に飛び込んでくる体は柔らかく、沈む。
（静甘その１）

恋が指からすり抜ける。伝えたい言葉と裏腹な態度。君の周りにいる美しい全てのものに適わない僕は、背を向けて本音を縫って塞ぐ。面倒だねぇと薄笑いの声、早く君だけの王子様に迎えに来てもらいなよ。どうやって、尋ねる先の彼の制服の色は君と同じ。簡単な一言さ、なんてよくも言ってくれるものだ。
（東海道×京浜東北←宇都宮→高崎、大宮駅）

雷はいいよね、とよく喋る。池袋の君にも新宿の俺にも同じものが見えるじゃない。言いながら俺の部屋、電気は消して二人並んで座る。目の前がぴしゃりと光り、彼の細い体がしがみついてくる。なら何で来た、尋ねると臨也は肩を竦めたまま上目で答える。会いたかっただけだよ。雷が怖いなど言いもせず。
（シズイザ、雷は嘘つきの舌を抜く？）

「体張っても手ェ伸ばせないのに、他人に優しいもの、なーんだ」ただ直截な問い掛けを彼がどうするか気になった。雑居ビル二階の手摺、見下ろす彼は一度煙草を吹かす。「手ェ伸ばせ」呆れて二階から飛び降りる。踏み込めば生命の危機なのに「失うのが怖いの、わかってよね」文句を垂れずにいられない。
（シズイザ、一歩手前）

今日の月、怖い。おかしいことしちゃいそう。らしくないことを言って、彼は東京駅のホームで身震いする。何をするんだ、尋ねたら彼が俺を見る。籠絡は彼の手の内だ。君が好きすぎて怖いから、突き落とそうかなって。本音を拙く隠す空色が白く光る月を映す。ああ、確かに怖い、この空から逃れるなんて。
（東海道×京浜東北、中秋の名月）

微睡む度に君の夢を見る。誰よりも高い空から月を睨む。届かないものに手を伸ばすことはつまらない。かと言って手を引っ込めるのはもっとつまらない。何が憎らしいかって、新宿も池袋も同じ月に照らされて、君は今頃月が綺麗だって思ってる。でも、その思考の片隅にすら、俺はきっといないということ。
（シズイザ、中秋の名月）

この恋が手から零れ落ちるなら、心を捨ててただ走ることが出来る。けれども、たった一駅、向かい合ったホームが邪魔する。「大丈夫か？」疑いもしないで。「何も問題ないよ」よく似た顔、目、手つき、全部彼を見て育った。彼のためにしか走れない。「そうか」たったそれだけの言葉で幸せになれるから。
（御堂筋×四つ橋、大国町駅）

秋の澄んだ空気、直線、遮るもののない線路は、遠くまで見渡せる。彼が電化線を引いたこの直線は、いまでもふたりだけの並走区間だ。自分の髪を煽り巻き上げる特急車両。一度君も大森で降りてみればいい、京浜東北は呟く。君と僕しかいないこの視界を見たら、君だって僕が君に恋をした理由がわかるよ。
（東海道×京浜東北、基本の川崎－品川間）